【テクニカルライティングQ&A #5 temperature(温度)は数えられる?数えられない?】
(第0回の記事(上記リンク先)と、シリーズ中の記事の関連記事では、センセーショナルな内容があり得ますのでご注意下さい。
Temperature(温度)が単数形になっていたり、複数形になっていたりすることがあるのですが、どちらが正しいのでしょうか?
何を言っておるかーーー!!
まだまだ修行が足りん!!全然足りん!!
温度とは、数えられる時もあれば、数えられない時もあるのだーーー!!!
TemperatureおじさんBen
うわっ…!?!?いきなり、この温度感の違う方が突入してきたんですが…!?
洋平さん
その方は、テクニカルライティングでtemperatureの扱いのミスを見ると烈火のごとく怒る、temperatureおじさんという方です。
このようなおじさんを怒らせないためにも、一見簡単でテクニカルライティングでよく使っているはずのtemperatureの扱いを今一度確認しましょう!
Tak石河
何となくのイメージを過信せずに、必ず英英辞書で調べよう!
このご質問(Tak石河さんの自問自答とも言う)は、おそらく、温度はつかみようのないものなので数えられない名詞、というイメージがあったんでしょうね。
綾香さん
そうですね…お気持ちは分かります……、が!
はやる気持ち・即断したくなる気持ちは抑えて、名詞の単数・複数の使い分けは、簡単なものでもちゃんと確認するようにしましょう!
個人的には、名詞のU(Uncountable:数えられない)、C(Countable:数えられる)の判断については、英英辞書の中でも特にLongman Online Dictionaryがお勧めです!
Tak石河
[countable(可算―数えられる), uncountable(不可算―数えられない)]…両方あるんですね!
洋平さん
そうだね。
数えられるか、数えられないかは、「区切り」があるかどうかの判断が重要になってくる。
確かに温度そのものの形は見えないけど、100℃といった個々の区切りのある値もあれば、ぼんやりと低温・常温・高温といった区切りのない値もある。では次の例を見てみよう!
アメリカ人同僚 盟友Liam
数えられる温度、数えられない温度
次の2つの文章の意味の違いが分かりますか?
Tak石河
(1) Water was heated to a high temperature exceeding 80 ℃.
(2) Water was heated to high temperatures exceeding 80 ℃.
(1)の方が分かりやすいです。つまり…80℃を超える特定の温度だから、81℃でもいいし、82℃、85℃、90℃…。つまり、80℃を超えるある一点の温度、ということだと思います。
洋平さん
その通りですね。
Tak石河
(2)は、80℃を超える温度帯が複数あるから…。例えば、水を加熱していて、80℃を超えた温度帯(例:81~90℃、など)に水温が昇温しているイメージでしょうか。
綾香さん
その通り!では、まとめだよ。
アメリカ人同僚 盟友Liam
Temperatureの単数・複数のクイズにチャレンジしてみよう!
さて、ここまでくれば、以下のtemperatureの単数・複数のクイズは余裕で分かるのではないでしょうか…?
Tak石河
(1)高温では水は酸素を大量に保持できない。
At (high temperatures / a high temperature) water is not able to hold as much oxygen.
(2)このケーブルの温度規格は、-40℃~-80℃です。
(The temperature / temperature ) rating of this cable is -40℃ to -80℃.
最初の(1)は…ある一点の温度、というよりも、温度が高い複数の温度帯といった意味合いと思うので…。
high temperaturesが正解と思います。
洋平さん
その通りです!
Tak石河
次の(2)は…温度規格というある規格の特定の温度、と考えて、the temperature、ですね。
綾香さん
バッチリだね!
アメリカ人同僚 盟友Liam
(1)高温では水は酸素を大量に保持できない。
At (high temperatures / a high temperature) water is not able to hold as much oxygen.
(2)このケーブルの温度規格は、-40℃~-80℃です。
(The temperature / temperature ) rating of this cable is -40℃ to -80℃.
ちなみに、この(2)では、ちょっとしたコツとして以下のような表現もできるので、覚えておくとよいでしょう。
Tak石河
have a Y of Xの表現方法については、以下の記事も参考にしてみてね!
アメリカ人同僚 盟友Liam
そう、その通り、温度には数えられる時と数えられない時があるのだ…。
では、さらばだ諸君…!!!
Manager Ben
如何だったでしょうか?
テクニカルライティングではこのように、名詞の可算(数えられる)・不可算(数えられない)は思わぬ落とし穴になることがあるので、よく知っている単語でもちゃんとチェックをするようにしましょう!