【テクニカルライティング技術#8「接触する・連絡する」のcontactに非常に多い間違い(他動詞です!)】
(第0回の記事(上記リンク先)と、シリーズ中の記事の関連記事では、センセーショナルな内容があり得ますのでご注意下さい。
接触といえば、このコーナーが最近やたらと怪しい中年男に接触を試みられている気がしてならないです。
綾香さん
…最近、このめんどくせぇ真面目コーナーの出番のせいで俺様の出番が全然ねーじゃねーか!!
今日という今日は、この真面目なコーナーも変態英語コーナーに堕落させてやるぜ…!!
Webコンテンツ破壊王の浅田さん
はぁ…毎度しつこいですね貴方は。じゃあ、次の問題が解けたら5分間だけ人間扱いしてあげましょう
綾香さん
……今までは何扱いだったんだ……!?!?
Sales Manager浅田さん
空欄には何が入りますか?
If you have any questions, please contact ( ) us.
Contact toやcontact withとするミスが非常に多いです
……ふっ、甘いな綾香さん…!!俺様が何年、外資系でSales managerをやってると思ってるんだ?
答えは…withだぜ…!!
Sales Manager浅田さん
浅田さんの回答(よく間違えがちな回答)
If you have any questions, please contact with us.
残念でした。contactは他動詞なので、空欄が正解です。前置詞は入らないです。
綾香さん
If you have any questions, please contact us.
…な、何ィ…‼卑怯じゃねぇか……!!
Sales Manager浅田さん
何も、必ず何か入るなんて一言も言ってませんよ。では、罰ゲームとして筋骨隆々の人事警察と濃厚接触しててください
綾香さん
………I was born ready.(俺は準備万端だぜ。)
浅田さんLOVE💛ムキムキマン
………嫌あああぁぁァァァァァ
濃厚接触される浅田さん
というわけで、contactを自動詞と勘違いして、前置詞を間違って付けてしまう事例が多発しています!
~と接触する、~と連絡を取る、という日本語につられてしまうのか、contact to, contact withといった間違いは往々にしてありますね。Tak石河
ちょっとややこしいのは、このcontactは(名詞)で「接触」「連絡」という意味になると、前置詞が出てくることなんだ。
先程の例題をもう一度見てみよう!
アメリカ人同僚 盟友Liam
If you have any questions, please make contact with us.
(※)この場合はmake contact withはcontact 1語でできるので、この文例ではあまりmake contact withは使いませんが、contactを名詞として使用する一例として捉えて下さい。
contactを使った実務翻訳にチャレンジしてみましょう!
では、このようについつい間違えがちなcontactについて、実務翻訳の例をチェックしてみましょう!
Tak石河
contact=接触する、の意味での文例
一般に水素触媒は、水素ガス中または溶媒中で取り扱い、空気との接触は短期といえども避けなければならない。大変活性の強い触媒は空気に触れると発火する。
(📖出典📖 ほんやく検定 平成7年 自然分野 一部改正)
うーん、「接触」の訳以外の所が難しくてクラクラしてきます…。
洋平さん
難しい場合には、以下の解答例を見て、「接触」「触れる」といった箇所がどうやって英訳されているかだけでもチェックしてみて下さい!
Tak石河
In general, a hydrogeneration catalyst must be treated in a hydrogen atmosphere or in an appropriate solvent, avoiding even brief contact with air. A highly active catalyst will ignite if it contacts air. あれっ最初のcontactの後にwithがついている…と思ったら、最初のcontactは名詞なんですね。 綾香さん そうですね。contactを使う場合には、(他)動詞として使っているか、名詞として使っているかをキッチリと区別するようにしましょう! Tak石河 さらに、もう1つ、別解として、ハイレベルな解答例を見てみよう。 アメリカ人同僚 盟友Liam In general, a highly active hydrogeneration catalyst needs to be treated in a hydrogen atmosphere or in an appropriate solvent and to be out of even brief contact to prevent ignition. 後半の部分は(needs) to be out of…と引き締まっているんですね。 綾香さん ここまで書けなくとも大丈夫ですが、こういった上手い書き方を見たら、徐々に自分のワザにしていくと、ライティングがどんどん上達していきます。 Tak石河 では次に、contact=連絡する、の意味で用いた時の英作問題を見てみよう。 アメリカ人同僚 盟友Liam ここでも、contact toやcontact withとついつい無意識にやってしまいそうなのをぐっとこらえて下さいね! Tak石河 製品が変なにおいや音や煙を発する場合は、ただちに電源プラグを抜いてサービスセンターに連絡してください。 「サービスセンターに連絡」は、contact a Service Centerでいいのかな?うーんどうしてもtoやwithが入っていないとなんだかすごく違和感がありますね…。 洋平さん その通り!では正解を見てみましょう。 Tak石河 製品が変なにおいや音や煙を発する場合は、ただちに電源プラグを抜いてサービスセンターに連絡してください。 In case the device emits a strange smell, sound or smoke, disconnect the power plug immediately and contact a Service Center. この文例では、最後のcontact a Service Centerの所をcontact with a Service Centerやcontact to a Service Centerとしないように気をつけましょう。 Tak石河 慣れれば、簡単そうですね。 綾香さん そうだね。でも、疲れていたり、文章中の他の英訳に気を取られていたりすると、ついついやってしまいがちだから、十分注意するようにしよう! アメリカ人同僚 盟友Liam 如何だったでしょうか? ついついうっかり自動詞扱いしがちなcontactなので、皆さんも英作の際には注意するようにして下さいね! contact=連絡する、の意味での文例