【知らないとヤバい】丁寧な依頼表現なハズのWill you…?が相手に命令することになり爆死
Will you sign here, please? 牛乳を拭いて1週間放置後のボロ雑巾を見るかのような目で上司を蔑むDiana
Y…Yes, madam!! 脅えているBen
丁寧な表現のハズ(?)のwill youがどうして命令のような表現になるのか?
さて、冒頭から不穏な出だしでしたが…今日は、ビジネス英語プレミアムコンサルティングの中で、相手に仕事の依頼をする際に、Will you…?を使っておられる方がいたので、注意喚起のために記事にしてみました。 Tak石河
は?Will you…?で大学で習ったじゃん?
出だしのWill you sign here, please?なんて、毎日のように使ってるぜ!!
Sales Manager浅田さん
Will you…?を習うのは多分中学か高校だと思うわ Diana
…浅田さん!!それはまずいです、ますいですよ!!! Tak石河
え?でも参考書とかに書いてますよね? きっちゃん
結論から言いますが、Will you…?を仕事の依頼表現で使うのは、極力やめておきましょう!!
使うのであれば、Could you…? 又は少しフランクに言うのであれば、 Can you…?の方が絶対に良いです!
Tak石河
そもそもWill you…?ってどういう表現なの?
いやだから参考書にWill you…?って「丁寧な依頼表現」って書いてますってほら。みて下さいよ。 きっちゃん
Will you…?という疑問文の形で、「~してくれませんか、~しませんか」という依頼や勧誘を表す。口調によっては命令になり、また公的な場合や、仕事上のことでWill you…?というと、ていねいな指示になる。
- Will you do me a favor?(お願いがあるのですが)【依頼】
- Won’t [Will] you come in?(お入りになりませんか)【勧誘】
- Will you shut up?(黙っていてくれませんか?)【命令】
- Will you sign here, please?(ここに署名してください)【指示】
- Will you sign here, please?(ここに署名して下さい)【指示】
*Will you…?はごく親しい間柄で使われ、それ以外の場合はCould you…?がふつう。
(📖出典📖 徹底例解 ロイヤル英文法 一部改変)
恐れ入ったか!このロイヤル英文法様の前では貴様も従うほかはあるまい!? Sales Manager浅田さん
その説明はいいのですが、よーく見て下さい!!(以下の赤字の所です) Tak石河
Will you…?という疑問文の形で、「~してくれませんか、~しませんか」という依頼や勧誘を表す。口調によっては命令になり、また公的な場合や、仕事上のことでWill you…?というと、ていねいな指示になる。
*Will you…?はごく親しい間柄で使われ、それ以外の場合はCould you…?がふつう。
(📖出典📖 徹底例解 ロイヤル英文法 一部改変)
だから、優しい口調で親しい間柄であれば、仕事での丁寧な指示になるんだろ? ロイヤル浅田さん
では、この親しい間柄って、どれくらい親しい間柄だと思いますか? Tak石河
え…?そりゃあ、仕事でよく会ってて、会社の同僚のDianaくらいには、Will you…?くらい使うのは平気じゃねぇのか? Sales Manager浅田さん
では浅田さん。じゃあ、浅田さんとDianaは以下のようなラインに至っているでしょうか? Tak石河
- かなーーーり仲の良い友達で、個人的に一緒に遊びに行くくらいの仲(仕事の同僚くらいでは「親しい間柄」とは言えない)
- その依頼をしたら、やってくれることは99.9999…%確定しているほど理解のある人
- ぶっちゃけWill you…?なんて使わずに、命令形で何か依頼しても大丈夫な相手
えっマジ!?マジで⁉親しい間柄って、ここまで親しくないとダメなの?? Sales Manager浅田さん
うん。そうだね。 アメリカ人同僚 盟友Liam
俺とDianaとの絆なら問題ないぜ!!
Hey, Diana!! Will you attend the upcoming sales meeting on behalf of me?
(よおDiana!!今度の営業会議に、俺の代理で出席してくれないか?)
Sales Manager浅田さん
No way!!(絶対に嫌よ‼) Diana
ゴスッ。。。
あびばぶブッフォォォォ―――!!! 瞬殺された浅田さん
局部への着弾を確認した
Manager Ben
私、貴方なんて赤の他人だし、依頼されても99.999…%ていうか200%引き受けるつもりなんてないし、Will you…?どころか命令形で依頼されたらそれこそパイプカットするわよ ハサミを握る手に力を込めるDiana
き、貴様…。っていうか、今の例文Liamが言ったらどーぜ即OKなんだろ…?もうオチは分かっているぜ…? Sales Manager浅田さん
Of course. Anytime, anywhere!
(もちろん、(Liamだったら)いつでもどこでもいいわよ!)
Diana
ガクッ 静かに逝った浅田さん
と、いうわけですね Tak石河
人生の理不尽さと格差社会を感じるな Manager Ben
え?でも冒頭でDianaはBenにWill you…?って使っていましたよね?
BenはDianaの(一応)上司(のハズ)なのに、いいんですか??
きっちゃん
冒頭の会話を、今の二人の力関係とキャラ特性を加味すると、こんな感じの訳になりそうですね。 Tak石河
Will you sign here, please?(ねえ、ここにサインしてくれるわよね…?) 牛乳を拭いて1週間放置後のボロ雑巾を見るかのような目で上司を蔑むDiana
Y…Yes, madam!!(え…ええ、もちろんですとも、マダム!) 脅えているBen
この場合は、私の方が明らかに立場が上になっているから、Will you…?を使って自然なのよ。
何か文句ある…??
Diana
Ben、いいんですか…?上司としての威厳は…!?
このままだとこのブログで第二の浅田さん的な扱いになってしまいますよ…!!
きっちゃん
…Dianaには、弱みを握られてしまったのだよ Manager Ben
どうしたんですか? Tak石河
Dianaのパソコンで、私の崇高な趣味のDVD鑑賞していたら、ウイルスに感染して起動しなくなったんだ Manager Ben
貴様、サイテーだな…。 人のことは全く言えない浅田さん
頑張ってください Tak石河
仕事上のことでWill you…?というと、ていねいな指示になる時って…?
でも、ロイヤル英文法には仕事上のことでWill you…?というと、丁寧な指示になるってボクの敬愛するロイヤル英文法には書いてあるんですよ?
本当にダメなんですか?
ロイヤルきっちゃん
そうだね。あるんだけど、具体的には次のような場合かな。 アメリカ人同僚 盟友Liam
- 依頼主と、依頼相手が、仕事だけでなくプライベートでもかなり親しい
- 依頼主が、依頼相手よりも立場、パワーバランスが上で、仕事を依頼―ないしは指示しても自然である
例えば、浅田さんの上司であるBenが、浅田さんに対して、こういう言い方をするのはアリでしょう。 Tak石河
Will you attend the upcoming sales meeting?
(今度の営業会議に出席してくれます?)
Manager Ben
俺は絶対に嫌だけどな!! Sales Manager浅田さん
あるいは、仮にきっちゃんが私のビジネス英語プレミアムコンサルティングを購入・利用してくれたとして、以下のように私に仕事の依頼をするのは、変な感じ・嫌な感じはしないですね。 Tak石河
Will you proofread my English writing?
(私の英文ライティングを校正してもらえます?)
きっちゃん
My pleasure.(喜んで。)
この場合、きっちゃんはTak石河のお客様であり、Tak石河がサービス料金を頂いて、コンサルティングという商品を提供するのはしごく当たり前だからです。
なので、絶対にやっちゃいけないのは、対して親しくもないのに、目上の人やお客さんに対してWill youを使うことですね。
Tak石河
そういや俺、相手に関係なくその道の大御所に対してもWill you…?ってやっちゃってた気がするな。
それで取引中止されたのかな?
気づかなかったぜ♪
Sales Manager浅田さん
浅田さん、今度は気を付けましょうね…。 Tak石河
…っていうか、そんなに堅苦しく考えてたら英語で会話できなくなっちゃうぜ!!
フランクに話せるくらい仲良くなって、しっかり商品を売りつけるお買い求め頂くのも大事じゃねぇのか?
フランク浅田さん
アンタはフランクというか、そもそも馴れ馴れしくてうっとおしいのよ Diana
浅田さんの言うことも確かに一理あって、あまり考えすぎないで会話を繋げるのも大事ではあるんですけどね。
また適度にインフォーマルな表現を織り交ぜて、相手との距離感を縮めていく高等テクニックもあるにはあるのですが、上級者向けの熟練の技になるので、慣れないうちはあまり無茶な冒険はやめておいた方がいいでしょうね。
Tak石河
今回のことは、日英翻訳・辞書編纂などでも高名な、Tom Gally(トム・ガリ―)先生の著書の中にも書かれているね。
非常に参考になる記述なので、是非読んで欲しい。
アメリカ人同僚 盟友Liam
(前略:著者が、日本の中学生向け英語教科書を校閲している際のこと)
私が(中学生向け英語教科書に)不満を感じたのは、人に物事を依頼するための表現だけであった。それはWill you open the window? Will you give me your pen?などのような、Will you…?で始まる依頼文であった。
この教科書で英語を勉強した中学生が、将来、科学者になって、外国にいる研究者に電子メールを送り、Will you send me a preprint of your paper?と頼んでいるさまを想像して、ぞっとしたのである。Will you…?は命令と言ってもいいほどきつい表現である。親しい間柄では使うことがあるが、インフォーマルな場合に限る。知らない人に対して、又は目上の人に対して用いるべき表現ではない。
(📖出典📖 英語のあや 言葉を学ぶとはどういうことか Tom Gallyトム・ガリ―著)
ちなみにこの「英語のあや 言葉を学ぶとはどういうことか」は、英語だけではなく読み物としても面白いので、興味のある方は是非チェックしてみて下さいね! Tak石河
依頼の時の表現は、Will youではなく、Could you (please)~? / Can you (please)~?を使うのがおすすめ
じゃあどうすればいいんだよ!?Will you…?を使いまくったせいで、俺っちの今月の営業成績はボロボロだぜ!! Sales Manager浅田さん
答えはズバリ…Will you…?ではなく、Could you (please)~? / Can you (please)~?を使うようにしましょう!! Tak石河
Could you (please)~?
- 汎用性の広い、丁寧な依頼表現で、友人・同僚~目上の人まで、幅広く使える依頼表現
- Could you please…?の方が、Could you…?よりも、より丁寧になるが、Could you…?だけでも十分な表現
(例)Could you please tell me the way to the station?(駅までの行き方を教えてもらえますか?)
Can you (please)~?
- Could you (please)~?よりはカジュアルになるが、友人や仕事の同僚などには問題なく使える丁寧な依頼表現
(例)Can you please tell me the way to the station?(駅までの行き方を教えてもらえますか?)
ちょっと待て!!上の例文、両方ともほほぼ同じじゃねーか!!
手抜きだな!!
Sales Manager浅田さん
これは、話す相手によって使い分けると考えるといいよ。
相手が、例えば見ず知らずの通りがかりの人だったら、Could you please tell me the way to the station?(駅までの行き方を教えてもらえますか?)が丁寧な聞き方になるし、親しい間柄だったら、Can you please tell me the way to the station?って使い分けることができるね。
アメリカ人同僚 盟友Liam
私の例ですが、
- 年上~めちゃくちゃ目上(会社のCEOクラス)なら、Could you please…?
- 同僚や、歳・立場の近い社員ならCould you…?
- 親しい同僚、仕事以外の友人ならCan you…?
といった形で多少使い分けてはいますね。
Tak石河
アメリカのファーストフードで店員さんに注文する時を聞いてみるといいよ。
Can you give me a sandwich?
(又はCan I have a sandwich?)
っていう表現されること、結構多い。
アメリカ人同僚 盟友Liam
フランクに注文~仕事の依頼~をしているわけね! Diana
如何だったでしょうか?
教科書では「丁寧な依頼表現」としてさらっと紹介されているWill you…?ですが、このように落とし穴があるので
注意してもらえれば幸いです!
英語の表現で困ったことや各種相談など、本ブログでは随時お受けしております!
ところでDianaよ、私への上から目線はいつになったら止めてもらえるのだろうか…? Manager Ben
Liamと私のofficeを隣同士…いえ、鍵付きの一緒の部屋にしてくれたら、15分だけ人間扱いしてあげてもいいわ Diana
前向きに検討シマス…(”Д”) Manager Ben