【外資系英雄列伝① ドリルマン】
外資系企業で働いていると、実にユニークなキャラクターの方たちがいます。そんな方々を【外資系英雄列伝】としてお伝えしたいと思います。(今後シリーズ化していくかは不明ですが…。)
※本記事は18禁です。貴方の性別に関わらず、ご不快な思いをさせてしまう危険性がありますので、以下はくれぐれも自己責任でご閲覧下さい。なお、本記事は当方の都合で、予告なしに削除する恐れがあります。Sorry, this article is Japanese only! 諸事情により本記事は日本語のみとなっています。
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「とある会社」に、ドリルマンと呼ばれる男(営業マン)がいます。国籍は…とある外国の方です。
この男、とんでもない問題児で、遅刻早退は当たり前。会社に来ないと思ったら予告なきロングバケーション。しかも、年間の新規顧客獲得数は0~1件という、日本の会社であれば即クビになりそうな人物です。ただ、彼は厳しい外資系、特に営業の世界において、名物営業マンとして20数年もの間、君臨し続けています。
彼の営業スタイルは非常に独特で、どんなに見込みがない市場(例:競合他社だらけの市場)でも単身で乗り込み、決して引かない猪突猛進型の営業スタイル。断られても、断られても何度でも訪問します。それはまるで、堅い岩盤をこじ開けるドリルのようなことから、人読んで「ドリルマン(以下、’D’と略称)」と呼びます。何というか、なんだか昔堅気の熱血日本人営業パーソンですね。
ただ、そんな強引な営業スタイルは訪問先から迷惑がられることも多く、出禁になることもしばしばだそうです。それでも彼は訪問を続け、年間0~1件の「ビッグカスタマー」をゲットしてきます(0の時は、本当に1年間の成果が0件になるそうです)。
しかし、彼がDと呼ばれる真の理由は…彼が、男性顧客に対し、「ドリル開発」を行うからに他なりません。Dは男性に対してのみ恋愛感情を抱けない、LGBT(性的少数者)です。(注※ 私個人的には、LGBTの方に対する差別感情は一切ありません)ただ彼は、少数派であることに物おじせず、男性同士の恋愛技術を極限まで高め、ついに必殺奥義「ドリル開発」を編み出すまでに至りました。
「ドリル開発」について詳述すると、私がFacebookから永久追放されかねませんので詳述は避けようと思いますが、彼に’開発 (drill-本当は、開発は’develop’当たりが適切な英訳と思いますが、彼の場合は’drill’がふさわしく、それが通例の訳になっています)された男性顧客は、Dの虜’ecstatic’となり、「ビッグカスタマー」から「ビッグロイヤルカスタマー」に変身するとのことです。
ただ、多様な価値観を持つHolland(あ、書いてしまったw)でも、流石の彼の価値観はなかなかに受け入れがたい所があったようで、以下のような問答があったと聞きます。しかし、それに対するDの返しが、流石というか、百戦錬磨を感じさせます。
Dが、いつものように、LGBT向けのコアな雑誌を読んでいた所…
同僚A「D、その雑誌は貴方の趣味かもしれないが、不快な気持ちになるので、職場で読むのは止めてくれないか?」
D「これは趣味(hobby)ではない。れっきとしたビジネス活動である。私は、常に最先端のLGBT、とりわけ男性―男性間のコミュニケーション術の研究をしている。この雑誌をよむことで、私は顧客から絶大な信頼を得ているのだ」
※確かに、出禁になった訪問先からは、絶大な不信感を得ていますが、一度彼の顧客、具体的には開発されたお友達?になると、絶大な信頼を得るそうです。現に、一度Dの顧客になって、取引がなくなったお客様は今まで無いとのことです。
ただし、同僚Aの言い分も正しく、大規模な会議が開かれた末、Dは、隔離された部屋でのみ、コアな雑誌を読むことが許されました。その部屋は通称、’D-room’と呼ばれています。
同僚B「D、あなたはいつも会議を欠席してvacationばかり取っている。加えて顧客へ怪しい営業をしているそうではないか。それはよくないのではないか?」
D「Do not get me wrong!(誤解しないでくれ)私はvacationの間、遊んでいるだけではなく、私の顧客へのサービスをさらに充実させるための最新LGBTトレンド情報(←そういうのがあるらしい)、および私のドリル・テクニックに磨きをかけている。また、私は顧客に何か無理強いしたことは一切ない。顧客が私を熱く求めている。そして、私の新規顧客獲得は少ないかもしれないが、貴方たちが数年かけても獲得できないビッグカスタマーとの契約に成功している。何の問題があるのだ?加えて、ミーティングなどに意味はない。みんな、マネージャーに媚びを売っている’kiss up’しているだけではないか」
※kiss upという表現は、割と普通な表現ですが、Dが言うと妙に艶めかしく聞こえるのが不思議なところです。
同僚Bは、反論できず茫然としたそうです。
‘method to one’s madness’ : a reasonable purpose although it looks crazy at first.という表現がありますが、おそらく、彼ほどこの表現がぴったりとくる人物はいないでしょう(彼にとってはreasonable、ですから…)。彼は、いわゆるrecalcitrant(扱いにくい人)ですが、個人的には、ドリル開発はご遠慮したいものの、「憎めないやつ’somewhat lovable person’」です。
ちなみに、彼は現在ウルトラロングバケーション満喫中。きっと、さらに磨きをかけたドリル・テクニックをもって、新規顧客開拓にいそしむことでしょう…。
【完】